肩甲骨は体幹. (胴体)と上肢(腕と手)をつないでいて、体を動かすときに下半身~体幹に生じたエネルギーを上肢に伝える・・または逆に上肢をコントロールするときに必要な体幹の固定をする際に働く非常に重要な骨です。

肩関節は他の関節と違い自由度が大きい(=グルグル動く)ので、肩甲骨が関与することでより安定した肩の動きが可能になるんです。

一方、この肩甲骨の周りの筋肉が癒着を起こしたり硬くなると逆に肩甲骨は肩の動きを阻害してしまいます。

肩甲骨の動きには、上方回旋/下方回旋、挙上/下制、内転/外転の6つの動きがあります。
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猫背(いわゆる前肩)や肩こりの人は胸側と上部僧帽筋が短縮=硬くなることで、この6つの動きの中の挙上、外転の状態で固定されます。

通常であれば、上肢を使う際は肩鎖関節(鎖骨の先端部分)を支点に動かしますが、上記の人や
恒常緊張状態の人は上肢を使う際、上部僧帽筋(首の付け根付近)を支点にして上肢を動かします。
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この時、肩甲骨の動きはというと

肩鎖関節(鎖骨の先端部分)を支点にバンザイをしたときは上方回旋をし、上部僧帽筋(首の付け根付近)を支点にしてバンザイをしたときは挙という違った動きをします。

肩の機構には肩甲上腕リズムというのがあって、(難しいのでここでは省きます)
肩甲骨が上方回旋をしないと充分に肩は上がらないようになっています。
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ですので、猫背(いわゆる前肩)や肩こりの人や恒常緊張状態の人は肩甲骨が上方回旋せず挙上するのでそうじゃない人に比べて肩が上がりくくなります。

そういう人はバンザイ以外の動作でも常に上部僧帽筋を働かせてしまうので、結果的に指先のセンサーの精度が落ちてしまいます。

それを改善するためには肩甲骨を挙上、外転の逆である下制、内転の動きをつけてあげることが必要になります。
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