前回は痛みの閾値のお話でした・・

痛みはその時の情動や嗜好・記憶で閾値が上下し、感じ方が変わる・・
痛みに強い人は閾値が高く、弱い人は低い・・・

痛みはある意味、脳(中枢)が支配しています・・

最近いらしてる高齢の患者さん・・
初診の時は左膝を引きずるように来院してきました・・
お話を伺ってみると、もう痛くなって半年以上経つとおっしゃいます・・
検査をしてみると、特に異常はなく、強いて言うなら腿の筋肉が強張っているくらいでした・・

具合を伺うと、「歩いているとたまにチクッときたり、急にガクンと力が抜け、昔は正座ができたのに、今はできなくなった」とのこと・・
すると、施術をしている最中にその方はこう切り出しました・・
「先生、私・・半年前に病院の先生にこのままでは、膝が壊死するって言われて・・それから恐くなってしまって・・眠れなくなるし、胃は痛くなるしで・・先生・・私の膝・・腐ってしまうんでしょうか?」

それを聞いて、僕は???となったのと、ああ・・なるほどねー・・と思いました・・
半年前の症状は伺い知れませんが・・少なくとも、今現在、壊死はありえません・・とんでもない話です(苦笑)

この方は、ずーっと長い間、壊死=膝が腐るという呪縛に囚われ、膝に体重をかけることに恐怖に近い感情を抱いていたんですね・・

すなわち・・閾値が極端に下がっていたことで、ちょっとした違和感も痛みとして捕えてしまい、左足を着くと恐怖から力が抜けてしまっていたわけです・・(悲)

そのことを説明しつつ、軽く運動療法をしたあと、「じゃあ、歩いてみましょうか?」と僕・・
すると、最初は恐々でしたが・・そのうち「あれ?痛くないし・・軽いです!・・先生、こんなに違うもんですか?」
とビックリしてました・・(笑)

僕は何も特別なことをしたわけではなく、閾値の話・・呪縛の話・・現在の膝の状態を話して、あとは軽く動かしただけですので・・(汗)
これ、ほんとの話ですから・・(苦笑)

勘違いして欲しくないのは、ケガや痛みを勝手に自己診断しないでください・・ということです(汗)
今は情報過多で、ちょっと調べれば、いろんなことがわかります・・
でも、あくまでも専門の医療機関に診てもらうべきです・・

そして必要であれば、セカンド・サードオピニオンをすべきです!

そのあとは、痛みに囚われ過ぎず、閾値を上げるようにしていきましょう!
その間の食事内容も大切ですね・・(笑)

今回は最近あった出来事・・で終わってしまいました(汗)

次回こそ幻肢痛とミラーセラピーについてお話します!